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建設業のVR安全教育とは?メリットや活用例を解説


建設業のVR安全教育とは?メリットや活用例を解説

建設・製造業界において、「高い学習効果が得られる安全教育の方法を知りたい」「従業員に事故や災害の危険性を体感させたい」と課題を抱える教育担当者は少なくないでしょう。そのような課題を打破する手法として活用の幅を広げるのが「VR安全教育」です。

中でも建設業界では、リアリティのある作業現場を再現できる方法として、導入を検討する企業も増えてきました。本記事では、建設業におけるVR安全教育の必要性、導入方法、効果について解説します。



目次

1.VR安全教育とは
● 従業員の安全教育をVRで受けさせる手法
● 安全教育をVRで行う必要性
● VR安全教育の準備物と導入方法
2.建設業にVR安全教育を導入する3つのメリット
(1)疑似体験できる
(2)時間や場所を問わず教育できる
(3)全員が同じ教育を受けられる
3.VR安全教育導入の3つの注意点
(1)初期費用や準備が必要
(2)自社に適したコンテンツの選定
(3)ITリテラシーが必要
4.VR安全教育の活用例
● 労働災害
● 自然災害
5.まとめ


1.VR安全教育とは

VR安全教育は、従業員の安全意識を向上させるための手法として注目されています。まずはVR安全教育の必要性や導入方法、そして導入効果について詳しく解説します。

従業員の安全教育をVRで受けさせる手法

VR安全教育とは、建設業や製造業などで実施される従業員向けの教育にVR(バーチャル・リアリティ=Virtual Reality)技術を取り入れた手法です。近年、安全教育の分野でも注目されており、VRを取り入れることで従来の座学スタイルの教育では難しかった、事故や災害の疑似体験が可能となりました。

VRは日本語で「仮想現実」を意味し、VRゴーグルを通して360°のパノラマ映像を楽しめる技術です。まるでその場にいるような没入感を体験できるとゲームやエンターテインメントの分野で浸透し、さまざまな分野にその技術が活用されています。

安全教育の領域で見ると、VR技術により工事現場や建設現場などをリアルに再現し、従業員はその場面での適切な対応方法を学ぶことが可能です。実際には再現が難しい危険な現場も体験でき、危機管理能力の向上が期待されます。


安全教育をVRで行う必要性

建設業の安全教育ならではの課題の解決策としてVR活用の注目が高まっています。
建設業界の安全対策では、主に以下の課題を抱えています。

● 建設業特有の事故や災害は再現が難しく、リアリティに欠ける
● 再現しようとすると莫大なコストと時間がかかる
● 安全管理を徹底していても、計画や点検・確認作業では想定しきれない事故が発生する

安全教育をVRで行うことで実際の事故や災害発生時に近い状況を経験でき、安全意識が向上するとともに、事故・災害が現実で起こった場合に適切に対処できるという効果が期待できます。

従来の安全教育は、映像資料や教科書を中心に、過去の事例を元に原因や対策を説明する座学スタイルが主流でした。この方法では、映像や文字上での理解に留まり実感が湧かず、事故や災害を自分事として理解することが難しく、実務において実践するのが困難であるという課題がありました。

VRの活用により、現実世界と同様の臨場感を持って、過去の事例を疑似体験することが可能となりました。これにより従業員は「何が危険か」を具体的に認知し、実際に作業現場での安全対策につなげることができます。


VR安全教育の準備物と導入方法

VR安全教育の導入には2つのステップがあります。

まず、PCやVRゴーグルなどのVR映像を投影するための専用機器の準備が必要です。購入やレンタル、もしくはパッケージに含まれているなど、制作会社のサービス内容によって用意の方法も変わります。制作会社に相談し、効果とコストを考慮しつつ準備を進めましょう。

次にVRコンテンツの導入準備です。導入方法にはオーダーメイドとパッケージの2種類があります。
(1)オーダーメイド
業種に合った事故や災害など、実務に応じた内容で制作会社にコンテンツを依頼する方法です。現場の風景や作業内容を自社の体制や現実的な工程、作業方法に応じてに再現でき、疑似体験の度合いを高められます。
シネマレイでは実際の現場映像の撮影や、フルCGもしくは映像とCGの合成により映像の再現度を高めています。
(2)パッケージ
制作会社が用意した既存のVRのコンテンツを購入する方法です。オーダーメイドに比べて導入コストを抑えることができます。自社の規模や予算、教育内容のニーズを考慮して導入方法を選択することが重要です。


2.建設業にVR安全教育を導入する3つのメリット

建設業界でVR安全教育を導入するメリットを紹介します。

(1)疑似体験できる

事前演習が難しい重大事故を疑似体験できます。これにより、リスクを冒すことなく事故の状況を体感しながら学ぶことが可能です。
例えば建設業では、高所作業や重機の操作など事前演習が難しい作業が発生します。VRを活用すれば、足場の不備による転落事故や、クレーンの操作ミスによる落下事故の疑似体験が可能です。座学やeラーニングと比べて高い学習効果が期待できます。

(2)時間や場所を問わず教育できる

特定の場所や時間に縛られず、機器さえ準備できればどこでも教育が可能です。
建設業の現場や拠点は全国各地に点在しており、従業員も分散していることが多いでしょう。VRを導入すれば、遠隔地の現場でも本部と同じ教育を受けられます。さらに、反復学習が容易なため、新入社員から中堅社員まで定期的な振り返りを行い、過信による事故の防止にも活用できます。講師や従業員が研修場所へ移動する時間や、教材・資料の準備時間など、時間的なコストカットも叶うでしょう。


(3)全員が同じ教育を受けられる

従業員全員が均一の研修を受けることが可能です。各地の現場に分散していることもあり、講師を務める担当者や実施のタイミングなどによって研修内容にばらつきがちです。
VRを活用すれば全員が同じ教材を使って教育を受けるため、内容や質に差が出ることがありません。コンテンツをオーダーメイドで制作するなら、熟練の従業員が経験した事故事例を盛り込むことで、若手従業員への事例周知も一括でできるでしょう。誰もが質の高い研修を受けられ、新入社員や若手社員もスキルアップも一貫して進められます。

3.VR安全教育導入の3つの注意点

学習効果を高めるVR安全教育ですが、導入の際には考慮すべき点もあります。3つの注意点を頭に入れて、より効果的な導入を進めましょう。

(1)初期費用や準備が必要

導入後の運用コストを抑えられる点がメリットのVRですが、視聴デバイスの選定やコンテンツの制作など、初期費用がかかることを念頭に置く必要があります。リアリティを追究する「オーダーメイド」と、コストを抑えられる「パッケージ」の違いを把握し、教育内容の具体化の必要性と、コストパフォーマンスを加味した導入計画を立てることが重要です。

(2)自社に適したコンテンツの選定

コンテンツの選定は、導入の成功を左右する要素の一つ。自社で発生しうるリスクをフォローしきれないコンテンツや、実務に即していないコンテンツを選ぶと、効果的な教育が難しくなります。教育内容をパッケージコンテンツで対応するのが難しい場合は、オリジナルのコンテンツ制作を検討することをおすすめします。

(3)ITリテラシーが必要

VRを活用した安全教育をスムーズに実施するためには、教育担当者のITリテラシーが不可欠です。ディスプレイやVRゴーグルの操作方法などを理解し、従業員に対して適切に教育を行う能力が求められます。自社での対応が難しい場合は、導入後のサポートまでしてくれる制作会社を選ぶことで、スムーズな運用が期待できます。

4.VR安全教育の活用例

VR安全教育では、さまざまな事故や災害のシュミレーションが可能です。シネマレイでは労働災害、自然災害、さらには現場特有の事故などをコンテンツとして提供しています。業界を問わず導入できるVR安全教育の活用事例をご覧ください。

鉄道設備点検

鉄道設備事業を展開している企業様に設備点検における安全教育をVRで実施するための支援をさせていただいたケースです。

VR安全教育事例|鉄道設備点検

◆導入前の課題
点検作業における必要手順の見落としや、従業員自身の慣れによる事故が頻発していた。新入社員・若手社員に、現場の事故がどのように起こるのかを学ばせる方法を模索していた。
◆学習内容
指差し確認の漏れやヘルメットの未着用により発生する衝突事故、適切な処理手順の不履行や絶縁保護具の未着用による感電事故を再現。
◆結果
小さなミスや過信、確認不足により身に起こる事故を疑似体験することで危機感が芽生え、事故発生率の低減に成功した。

ビルメンテナンス設備点検

次は、ビルメンテナンス事業を展開する企業様がメンテナンス作業の安全教育にVRを導入したときの事例を見ていきましょう。

VR安全教育事例|ビルメンテナンス設備点検

◆導入前の課題
メンテナンス作業前に必要な準備を怠り、警備員の配置などを省略する従業員がいた。新入社員・若手社員に、現場の事故がどのように起こるのかを学ばせる方法を模索していた。
◆学習内容
安全帯の未着用や確認不注意、警備員や警告看板の設置を怠ることで、発生する落下事故を再現。
◆結果
必要手順を怠ることで大事故につながることを体感し、作業工程を遵守するようになった。

その他

VR安全教育事例|剪定作業

火災発生時の各所連携と対策方法や消化器の利用方法の学習、剪定業者による屋外作業時の危険予知学習などにも活用されています。感電や火災事故など再現が難しいものは、VRを活用することで再現可能で没入感を得られるため、より危険性を認知させることが可能です。

VR安全教育を実施したあとに座学を行い、各種事故の対策方法を学習することで、より高い学習効果が期待できるでしょう。

5.まとめ

VR安全教育は、さまざまな状況を疑似体験でき、従業員の安全意識を高める手法です。特に建設業界では、再現が難しい事故や災害を体験することで、リアリティを持って安全対策の重要性を学習させることができるでしょう。

効果的な運用のためには、導入コストやコンテンツを検討し、自社に合った方法を選択することが大切です。
安全管理に対する従業員の意識を向上させ、事故や災害を減らす手法として、選択してみてはいかがでしょうか。



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